春がまためぐってきて、外は鳥や蛙たちの歌でにぎやかです。
茶色くなっていた庭の芝も、息を吹き返そうとしています。
たんぽぽもあちこちで黄色い花を咲かせています。
この季節、庭を訪れる生き物は色々いますが、今年はアシナガバチに大人気のようです。
巣作りの場所を探しに来ているのを見かけたので、人がよく通る所など、巣を作って欲しくない場所に新聞紙を丸めて作った偽物の巣を引っ掛けておいたのですが….。
(この方法でたいていは蜂が身を引いてくれる)
蜂にとってあまりに魅力的な物件だったそうで、ダミーの巣がない所にあっという間に3ヶ所も着工されてしまいました。
のぞきこむと、女王蜂が大切そうに巣を抱えてこちらをじっと見つめ返してきます。
目ヂカラがすごい…。
もう卵を産んだのかなあ。
働き蜂みんなのお母さんだもんねー、女王蜂は。
さすがです。
母性と威厳を感じる。
彼女が出かけている間に、この新築の巣を破壊しなければならないのだろうか…。
ふと、去年もジンチョウゲの枝に巣をかけられて、見守ったことを思い出しました。
彼らは大変おとなしい蜂で、物干し竿の真下に作られた巣だったにもかかわらず、私は一度も攻撃されなかったのです。
生命維持のために危険を回避する人間の本能を超えて、私がこの蜂をただ在るものとして見るならば、ただ在るもの同士、平和に暮らせるのではないだろうか…。
そう考えました。
ならばやってみればよい。
クレイジーと思われるでしょうが、私は愛したいのです。
この目で見るもの全て。
自分自身の全てを。
そういえば、去年は蜂を獲物にしようとした我が家の猫がアゴを刺されてました。
猫ってすごいですね。
刺されたことをあんまり気にしてなかった…。
すぐに治っていました。
毒蛇にちょっかいを出して噛まれた時も、手が2倍くらいに腫れてびっくりしたけど、たった一晩で元に戻りました。
価値判断をやめてしまえば、今在ることのよろこびに生きることができます。
人間もそんなふうに、ただ在るものに戻れたならば、全て在るものと同じになれて、その調和はきっと世界中をよろこびで満たすでしょう。
アシナガバチ観察4〜6月 女王蜂の子育て奮闘記
田んぼは環境浄化と町おこしの力を秘めている