与謝野町にある農産物直売所『よさの野菜の駅』に買い物に行きました。
『よさの野菜の駅』には、与謝野町の豊かな自然と農家さんが愛情込めて作った新鮮な野菜や果物、苗、手作りの加工品などが売られています。
道の駅、観光案内所でもあり、府外からもお客さんが来られる、人気のお店です。
私はよくここを訪れ、買い物を楽しみます。
生命力を感じる新鮮な野菜を見ると、あれもこれもと欲しくなって、いつも袋いっぱい買って帰ります。
家に帰って、冷蔵庫に入りきらなくて困ることもしょっちゅうですが、生き生きした野菜なら、お料理にもやる気が出るというものです。
ふぞろいなニンジン
お店に並んだ野菜の中に、形や大きさがバラバラのニンジンを見つけました。
大きさはバラバラですが、葉っぱの軸もシャンとして、袋がはちきれんばかりにたくさん入っています。
「おっ!」と思い、すぐカゴに入れました。
このニンジンは美味しいに違いない…。そう直感したのです。
私は家庭菜園でニンジンを育てたことがありますが、ニンジンを育てるのは結構難しいんです。
スーパーで売られているような、あんなきれいなのはなかなか育ちません。
普通は、スーパーで見かけるような見た目のいい野菜を好んで買われると思います。
ですが、私はふぞろいなニンジンを好んで買いました。
なぜでしょう?
見た目がきれいな野菜を大量に作ることを目的とした現代の農業では、化学肥料と農薬がたくさん使われています。
土壌の生命は失われ、ミネラルバランスの崩れから、作物の栄養素(特にミネラル成分)は乏しいものになってしまっているのです。
有機栽培なら安心かというと、そうでもありません。硝酸態窒素という有毒な成分が含まれている場合があるからです。
見た目がどんなにきれいでも、ミネラルが不足した野菜は、命を養うには力不足です。
こんな経験はないでしょうか?
食べるのを忘れて、冷蔵庫の奥に入れっぱなしだった野菜を取り出してみたら、ドロドロに溶けていた…。(これをドリップ現象と言います。)
古くなればそうなるのは当たり前なのでは?
そう思われるかもしれませんが、それは違います。
ミネラルバランスの整った土壌で育った野菜は、古くなっても溶けません。
決して形を失うことなく、干からびてミイラのようになります。
ドロドロに溶けてしまうのは、野菜の細胞が化学肥料や農薬の乱用で変性してしまっているから。
このような野菜を食べ続けていたら、病気になるのは当然ではないでしょうか?
『食べる』ことの目的は、命を養うこと。それなのに、これでは本末転倒です。
生命は、生命によって生かされ、育まれる。それがこの自然界の法則なのです。
土は生命の土台
土の生命が作物の生命を育み、作物の生命がそれを食べる私たちの生命を育んでくれる。
土の生命とは、土が生きていることを指しています。
土は、ただ岩石が風化して砂状になっただけのものではありません。
植物が根を張り、生きて、死んで、折り重なり、小さな虫や微生物がそれらを食べて分解し、死してまた土になっていく…。
土とは、そのような生命の循環の中で、長い年月をかけて堆積した生物遺体です。
地球と、そこに生きた生物遺体の混合物である土。
それを糧に、私たちの生命は生かされています。
生と死の途切れない継続性こそが、土の生命なのです。
人間がどんなにすごい科学力を手にしても、土をないがしろにしては生きられません。
それが、地球に生きる者の定めです。
これからの地球人は、もっと意識を拡大させて、地球と共にあること、全生命の中で生かされていることを理解して行動できるようになっていかなければならないと思います。
耕さない農業でよみがえる土
土と微量ミネラルを研究してこられた中嶋常允(なかじまとどむ)先生によると、生命豊かな土壌、ミネラルバランスの整った土壌で育った作物は、抵抗力があるので病害虫に強く、農薬を使う必要がないのだそうです。
参考:『土といのち 微量ミネラルと人間の健康』、『食べもので若返り、元気で百歳』中嶋常允著
人間と同じですね。
ミネラルバランスが整った体は、ソマチッドが大活躍。
免疫力、治癒力があるので簡単に病に倒れたりはしません。
薬も必要なくなります。
土、作物、人間。
全ては生命でつながっています。
土こそは、生命の土台。
真の豊かさは、足元にあったのです。
治癒の神秘と生命の原子ソマチッド
本物の味 天然のだしでミネラル補給
木を植えた男
農家さんの苦悩
ここで、先ほどのふぞろいなニンジンの話に戻りましょう。
私は、喜んでふぞろいなニンジンを選びましたが、皆さんはどうでしょうか?
スーパーなどに出荷できる”売れる野菜”は、虫のついていない形のそろったきれいなものに限られるのだそうです。
「見た目=品質」という考えが浸透してしまっているため、農家さんは売り物を作るために使いたくもない農薬や化学肥料に頼るしかないという、悲しい現状があります。
農薬によって”消毒”しなければ、売り物として扱ってもらえないのです。
日本は、世界でも農薬の使用量がトップクラスです。
この狭い島国が、世界中の広大な面積の国々の中で群を抜いています。
日本では残留農薬を心配して、中国産の作物を嫌厭される方が多いですが、中国の農薬の単位面積あたりの使用量は日本より少ないそうです。
参考:『地球に生まれたあなたが今すぐしなくてはならないこと』木村秋則著
農家さんは、農薬の恐ろしさをよく知っておられます。
自分や家族の健康を害する恐れのある化学物質を使いたいはずがないのです。
でも、売り物を作るために、仕方なく使わざるをえない。
できたのがピカピカのきれいな野菜でも、生産者はそれを口にしたいとは思わない…。
自分たちの食べる野菜は、売り物とは別の畑で育てているという農家さんもいらっしゃるそうです。
なんという悲しい現実でしょうか。
買い物は投票である
こんな悲しい現実を、仕方ないとあきらめて、だまって見ていることしかできないのでしょうか。
そんなことはありません。
私たちは、忘れているのです。
最も大きな力を持っているのは、作り手でも、売り手でもない、買い手だということを。
私たちが何を選び、何を買うかということが、未来の方向性を決める舵です。
「虫食いのないきれいな野菜が、1円でも安いほうがいい。」
その望みが、今の現実を創りました。
でも、いっときの得が、後々大きな病となって降りかかりました。
得をしたつもりが、医療費はかさみ、自然は破壊されてしまいました。
子どもたちは健全な肉体と精神を育むことができず、せっかくの才能を開花できずにいます。
若者の瞳に夢や希望の光はなく、中高年の自殺者数は増える一方。平均寿命は伸びてもお年寄りは病気や寝たきりで、その生を最後まで楽しむことができません。
そんなつもりじゃなかった…。誰もがそう思うことでしょう。
そうです。
良かれと思って歩んだ道に、間違いなどありません。
知るという道を、ただ歩んだだけなのです。
そして、すでに知ったのですから、どんな状況でも、過去の中で今が最も進歩しています。
では、今、その望みを別なものに変えるのです。
望む未来を見据えた選択と行動を、個人個人がしていくこと。
それが舵を動かし、未来を変えていきます。
私は、土がその生命をよみがえらせることを望みます。
本当に生命力にあふれた、美味しい野菜を食べ、健全な肉体と精神を養い、様々な生命が息づく豊かな自然の中で、子どもたちと一緒に命の神秘を発見し続けたい。
そのために、良いと思うものを選び、買います。
買い物は、未来の世界への投票なのです。
ふぞろいなニンジンの味は…
さて、私が選んだふぞろいなニンジンのお味はというと…。
結果はピンポン!大正解!!
私はなかなか見る目があるのかもしれません。
きんぴらと、ぬか漬けにしましたが、まず香りがいい。
近頃の野菜は香りがしないものが多いですが、これは切った途端にニンジンのいい香りがして、かじると甘味と、コクがありました。
ミネラル豊富な野菜はえぐみがなく、甘味とコクがあるのが特徴です。
こんなニンジンなら、野菜ぎらいのお子さんでも喜んで食べるのではないでしょうか。
一緒に買ったカブは千枚漬けにしました。
(また今度、レシピを書きますね。)
かぶの千枚漬け
望む未来へ
土がよみがえれば、化学肥料も農薬も使わずに済み、収穫量が増えるので農家さんの収入が増します。
体は健康になり、子どもたちはその才能を開花させ、きっと考えもつかないようなアイデアで世界を輝かしいものへと変化させていくことでしょう。
地球全体が、健全な生命体へと変容を遂げるのです。
現状は、一筋の希望すらないように思える有り様ですが、必ずそれはできます。
なぜなら、人間は魂と肉体が融合した生命体だからです。
肉体の命が尽きても、魂は絶対になくなりません。永遠に生き続ける存在です。
永遠不滅のソマチッドと手を取り合って、進化向上していくのが、人であり神である魂の道。
どのような道を歩んだとしても、必要だから歩んだ道であり、知ることを通して魂を進化させ、常に前進してゆく。
それが、神を秘めた人の魂です。
絶対に後退することはありません。
一歩ずつ、着実に前進あるのみ。
愛と生命にあふれた、素晴らしい世界は、必ず実現できるのです。
新しい農業